■ブリ(方言:若菜、ヤズ、ハマチ)
[主な漁法]
まき網、釣、さし網
[主な漁期]
5月~12月
[漁獲の多い漁港]
小呂島、玄界島、鐘崎、大島、波津、津屋崎、藍島、地島、脇田、神湊
福岡ではブリは正月にかかせない魚で、ヤズ、ハマチ、ブリと成長につれて呼び名が変わる出世魚として縁起がよい魚です。
博多では「よか嫁ごぶり(よいお嫁さん)」にちなみ、ブリを結婚した年末にお嫁さんの実家へ送る習わしがあります。
刺身・照り焼・あら炊きなどにし、寒ブリとして冬季に美味です。
■マアジ(方言:アジ)
[主な漁法]
まき網、釣、敷網
[主な漁期]
6月~10月
[漁獲の多い漁港]
小呂島、志賀島、玄界島、西浦、鐘崎、大島、波津、芦屋、相島、津屋崎
アジの仲間は、マアジの他体型の丸いマルアジ、オニアジ、平たいヒラアジ(カイワリ)、シマアジ等が獲れています。
なかでもマアジは最も多く獲れており、近年は高級魚となっています。身は青魚では淡白で、たたき・塩焼、干して開きなどにし、夏に美味です。
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■マサバ(方言:ホンサバ)
[主な漁法]
まき網、敷網、定置網
[主な漁期]
5月~9月
[漁獲の多い漁港]
小呂島、志賀島、鐘崎、大島、波津、姫島、地島、芦屋、神湊、柏原
福体型の丸いマサバと腹側に黒い点のある南方型のゴマサバが獲れています。
それをまき網や釣などで獲ります。
サバは鯖と書くように青魚の代表ともいえる魚で、健康の維持増進に役立つビタミンE等を豊富に含んでいます。
活サバは福岡では刺身で親しまれ、しめサバ・塩サバ・味噌煮などにします。
■マイワシ(方言:ホンイワシ)
[主な漁法]
まき網、敷網、定置網
[主な漁期]
1月~7月
[漁獲の多い漁港]
小呂島、志賀島、姪浜、鐘崎、芦屋、大島、波津、柏原、姫島、福吉
体に約7つの斑点があり、「七つ星」とも呼ばれ、大きさにより大羽・中羽・小羽・シラスと名前が変わります。
一時漁獲は減少していましたが、昭和47年以降は大量に獲れるようになりました。
様々な料理で楽しまれており、健康食品として見直されています。
加工品では丸干し・開きなどにします。
■カタクチイワシ(方言:タレクチ)
[主な漁法]
あぐり網、敷網
[主な漁期]
6月~9月、12月~1月
[漁獲の多い漁港]
西浦、唐泊、船越、岐志新町、福吉、芦屋、柏原、波津
カタクチイワシ漁は博多湾などで11月頃から始まり、玄海の冬の漁業の代表的なものです。これも大羽・中羽・小羽と呼ばれます。
また、小さいものはちりめん、ついでかえりと呼ばれ、福岡ではイリコとして加工されています。大きくなったものは丸干しにして賞味します。
■コノシロ
[主な漁法]
さし網、定置網、敷網
[主な漁期]
3月~12月
[漁獲の多い漁港]
姪浜、志賀島、能古、芦屋、若松、波津、脇田、平松、脇浦、加布里
博多湾などの内湾に多い魚で、さし網等でよく獲れています。
他の方言では、小型のものはコハダと呼ばれ、寿司だね等にして賞味されます。
小骨の多い魚で、福岡ではあまり利用されていません。
骨きりをしたり、酢でしめれば美味しい魚です。
煮つけ・塩焼・細作りの刺身等にします。
■ボラ
[主な漁法]
さし網、定置網
[主な漁期]
12月~10月
[漁獲の多い漁港]
姪浜、奈多、伊崎、津屋崎、脇田、新湊、脇浦、波津、戸畑、加布里
大きくなるにつれオボコ、イナ、ボラと名前が変わり、最も大きくなったものをトドと呼びます。
「おぼこい」「いなせな」「トドのつまり」はこれからきています。
長崎名産のカラスミ(唐墨)は、トドの卵巣でつくられています。
秋から冬にかけて脂がのって美味しくなり、洗い・煮つけ・みそ煮などにします。
■トビウオ(方言:アゴ)
[主な漁法]
定置網、船びき網
[主な漁期]
5月~7月
[漁獲の多い漁港]
姪浜、弘、志賀島、波津、地島、津屋崎、新湊、姫島、藍島、鐘崎
福岡では「八十八夜になるとアゴがくる」といい、初夏の頃、産卵のためにトビウオがやってきます。
名前にいうように空中を滑空し、100~500メートルほども飛びます。
カクアゴという大型ものは値段もよく、刺身・酢のもの・塩焼などで初夏の味を賞味します。
また、焼きアゴは、博多雑煮のだしとして珍重されています。
■サワラ
[主な漁法]
釣、さし網、定置網
[主な漁期]
9月~1月
[漁獲の多い漁港]
志賀島、西浦、鐘崎、波津、野北、津屋崎、船越、岐志新町、岩屋、姫島
回遊性の魚で、全長1メートルにもなり、体は銀色で美しい魚です。
主にサワラ流し網で漁獲しますが、近年漁獲が増え利用度が高まっております。
寒サワラと呼ばれて冬から春にかけてが特に美味しく、身はやや柔らかい白身で、照り焼等で賞味し、味噌漬け・みりん干しに加工します。
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